【5.エコ炭の試験状況 】
(1)生育試験
『エコ炭』施用による植物への影響を見るため、実際に芝とクスノキを用いて生育試験を行いました。
芝の生育は、『エコ炭』を施用した区で良好に生育しました。
クスノキは、各種土壌(山砂・赤土・マサ土)にエコ炭を0%および20%混合して生育させた場合、
いずれの土壌においてもエコ炭を混合した場合の方がクスノキの生育が良好でした。
(左写真)
左側:山砂100%・エコ炭0%
右側:山砂80%・エコ炭20%
(2)飛散性確認試験
土壌改良材、特に軽量骨材の場合、改良材が風で飛散すると施工時の作業に影響します。
そこで『エコ炭』および各種土壌改良材の飛散性の確認試験を行いました。
室内試験・室外試験ともに試験を行った改良材の中で、『エコ炭』が最も飛散の程度が小さいという結果でした。
(左写真)
飛散性確認実験(室内実験)の様子
(3)人工降雨機による重金属等溶出試験
『エコ炭』には吸着能力があることを紹介しましたが、
実際はエコ炭が混合された土壌を雨水が通過し、排水として出てきた水の
安全性が問題になります。また、『エコ炭』自体が排水液中に流亡する可能性もあります。
この問題を調べるため、人工降雨機を使用して、実際に雨を降らせて、エコ炭を通過した
排水液の状態の観察と生物学的酸素消費量(BOD)、化学的酸素消費量(COD)、
浮遊物質量(SS)、全窒素、および全リンの測定を行いました(左写真)。
結果、排水液中にエコ炭の流入は認められず、同時に排水分析結果も
水質汚濁防止法に基づく排水基準の値よりも一律以下でした(下写真)。