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- 樹木医からの提言|樹勢回復の手法 (樹木の樹勢回復術)
都市において、樹木が衰退する原因の8割〜9割は根系域に問題があるといっても過言では有りません。気候、日照、地域性等を考慮せず、樹木を植栽したケースを除くと、樹勢衰退の原因は、不適な土壌や限定された根系域に起因する事例が殆んどなのです。
仮に樹木の根が露出してかわいそうと根系分布域の上に土を盛ったとします。私が知っている例では、側溝に溜まった有機質に富んだ泥を、神社の氏子さんたちが境内のクロガネモチの周りにわずか10cmの厚みで敷き詰めたところ枯死寸前に到りました。報せで駆けつけたところ葉が萎れ、いかにも酸欠を疑える状況でした。聞き取りで盛土を知り、直ちに除去しただけで樹勢は甦り、現在に至っています。
左の写真は福岡県内のある小学校にあるセンダンの木です。皆さん、何故邪魔になる校庭の真中に生えていると思われますか?実は昔(大正3年)、父兄を始めとする人達が牛車で運んで当時の校庭の隅っこに植えたものだそうです。当時の小さな小学校も都市化の波に晒され、敷地の拡大を続け、いつしか図らずも校庭の真中に位置することとなってしまったそうです。校庭は整備の為30cm程度盛土され、センダンの周辺も嵩上げされてしまいました。しかも校庭は子供達の遊び場です。「踏まないで」というのは無理な話です。土壌は固結し、いくら嵩上げに強いと言われているセンダンでも衰弱してしまいました。
そこで元の地盤まで掘り戻し、「ホワイトローム」の層を作り、その部分へ酸素管「DOパイプ」を通じて外気が流入する構造に改造しました。もう上で子供達が遊んでも踏圧による通気不良の心配はありません。センダンも元気を取り戻しました。
右のクスノキの大木は、福岡県内にある神社の御神木です。近所の家の屋根に枝が落ちた為、強剪定を行いました。直射日光が当った幹は無残にも剥げ落ち、年々衰弱を続けていました。外科的治療もなされましたが、根本原因は参拝者の踏圧によって表層が強固に固結していることに有ると判断しました。氏子さん達と一緒にツルハシを振るい固結土壌を充分にほぐした上で、表層に土壌固結防止と水分確保の為に、「オールインワン」を15%混入しました。樹勢が回復するまでは柵を広げ、参拝者の踏圧から根系を保護しました。現在は順調に枝葉を繁らせ、元の姿に近づきつつあります。
参拝に訪れる人は誰も樹木を痛めつけようなどとは考えていません。御神木には手も合わせます。
でも、小さな人間の足跡が巨樹を衰弱させていることを忘れてはなりません。
| 以下のページでは、樹勢回復の実例をご紹介していますので、ぜひご参照下さい。 三左衛門堀橋 ヤマザクラ樹勢回復工事 http://www.soil-doctor.jp/recovery/1.html 城陽小学校内 クロガネモチ樹勢回復工事 http://www.soil-doctor.jp/recovery/2.html |
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