事例に見る植栽基盤整備の手法 植物を生育させるための基盤整備

近年の都市緑化における植栽基盤では、植栽に不適切な環境であることが多く、土壌改良を行うことが植物の健全な生育に欠かせない条件となっています。土壌改良を行う際には、まず「土壌調査」を行い、不良因子を明らかにします。そして不良因子を改良する方法の検討を行います。見落としがちなのが、現地状況です。ただ土壌を分析し、結果に基づき土壌改良を行うのではなく、現場での様々な要因を抽出し、土壌分析結果と合わせてトータルな判断を行うことが必要になります。

土壌によって対応方法を区分

下の2枚の写真は、移植に伴う仮植先の土壌改良の事例です。土壌調査においては、掘削してどのような基盤構造になっているかを調べました。すると深さ60cmより下部にコークス(石炭の燃え残り)層が見つかりました。コークスは非常に保水性が低いのですが、排水性に優れているので、排水層として使用することにしました。上層は、関西特有のマサ土(花崗岩風化土)でした。この土壌も保水性が低く、かつ養分性に乏しい土壌であったため、保水性の改良効果が高い「オールインワン」が15%、そして腐植含量を高めるために「コロボクル」が5%混入されました。

調査してみるとアルカリに

道路造成に伴う土壌改良の事例です。当初はバーク堆肥と真珠岩パーライトの混入が予定されていました。しかし植栽直前に土壌調査を行ったところ、強アルカリ性の土壌であることがわかりました。セメント塊および固化剤の影響と思われます。このままでは、植物生育に支障をきたすことから、アルカリ土改良を主体とする土壌改良が実施されました。

改良範囲を耕耘/土壌緩衝能増強剤「PB-7」散布

今日の都市緑化においては、造成直後の母材に植栽することは珍しくありません。そのような「土」を、本来の「土壌」になるべく近づけることが土壌改良の目的であり、植物のためにできる大切な第一歩だと考えています。